クラスメソッドの9か月間を振り返る
クラスメソッドへジョイン
「新卒から定年まで一つの会社(JTC)に勤務することをやりきる」という人生目標で、途中挫けそうなときもありました。しかし、大きな会社には私(若輩者)の想像より、多くの製品や業務があり、それらを転々と渡り歩いてきました。もしかしたら、社外からは、ずっと同じポジションにいたように見えていたかもしれません。最後の担当製品カテゴリーは、約26年と想定以上に長くなったので。
越境志向ではあるものの、組織は希望する越境をさせてくれるとは限りません。越境した先で、目前のミッション達成(アウトプット)と並行して、「先入観を持たず直感した違和感の原因を追究し、より良い状態へ導いていく」(自分で自分に課した裏ミッション)ということをしてきました。先輩からは、「ほっとくと、そのうち、なんか吠えてる。やらかす。」と笑われます。
定年退職を機に新たな越境をしてみたくなり、クラスメソッドの門を叩きました。
ジョイン(2023/7/1)
「入社するとジョインブログを書くのが最初の仕事」でした。社員が執筆するブログというのは、日本の一般的な組織や社会人からすると驚きの出来事ですが、インターネットにかかわる仕事をしていると、割と理解できる範囲(実は、居心地が良い)です。しかしながら、組織に加入したての個人が、まず、社外に対して情報発信するという文化は、さすがに驚きです。
ということで、様々な仕組みを理解しながら、自己紹介記事を書かせていただきました。
おそらく、テーマは何でもよかったのだと思いますが、仕組みを理解するひとつの「オンボーディング」施策であることが理解できました。なるほど!いいね。
伝わる情報アーキテクチャー
ジョインブログを切っ掛けに勉強会でお話させていただくことができました。
社会に出て日常的に書かなければならない文書は、「実用文」と呼ばれます。実用文は、PTAのお知らせ、町内会のお知らせ、組織内の業務連絡文や発信情報、最近では個人のブログ発信やSNSでの発言。文学を楽しむ心や知識「豊かな生活を支える力」も大事ですが、日常生活においては伝えたいことを誤解なく表現する「実用文を書く力」は「社会人としての生きる力」につながるのではないかと思います。
義務教育の優先順位は、(1) 社会人としての生きる力 (2) 豊かな生活を支える力、のようにしてほしい思うのですが、実際には、異なるような印象です。「論理国語」として新設された科目がそれになってくれたらうれしいなと思います。
比較的国語が苦手な皆さんには、論理的に言葉を組み立てていくことが「実用文」であるということを知っていただければ、「文を書く」ことの苦手意識が減っていくのではないかと思っています。
それらを技術としてまとめたのが、「テクニカルコミュニケーション技術」です。本気で学べばとても広く、奥が深い「伝えるための技術」です。浅くても、深くても、学んでみたら、きっと、気付きを得られるものと思います。
Cloudflareについて語るために
私は、Cloudflareについて、何が語れるのだろうか?
そのような自問自答を繰り返してきました。
最初に取り組んだことをは、Cloudflareの歴史について調べること。製品や今を語れる人はたくさんいるけれど、歴史的背景から、現在の姿を伝えられないだろうか?と考えてきました。
経験上、製品とブランドアイデンティティーに共通性を見いだせた(理解された)とき、顧客の満足感はさらに向上いたします。
Cloudflareとは
CDNベンダーのイメージを持っておられる方も多いと思います。その原点を知ることで、CDNサービスに対する印象が変わってくる可能性もあるだろうと思い、起業の経緯を探してみました。
ただし、発信した情報を顧客がどのように受け取っているのか、あまり意識していないような気もします。顧客の反応や理解状況に関心を持てると、発信する情報がさらに良くなっていけると思います。
このような活動を「プロダクトブランディング」や「コンセプトブランディング」などと言いますが、意味が分からない方は、沢渡あまね氏に教えを乞うとよいと思います。
私が何をやろうとしていたのか、意味が分かってくると思います。
Cloudflareのリンク集
Cloudflareについて調べていると、文書やWebサイトが多数あることに気づきました。このコンテンツの全体像って、誰か把握できているんだろうか?という疑問を持ち始めました。
ということで、調査した結果をまとめました。
そして、まとめている途中でWeb サイトが公開されている...
新しいコンテンツを作って公開するのも大切だと思いますが、そのコンテンツが顧客にどれぐらい届いているのかも、認識された方が良いのではないかと思いました。
Cloudflareは、メディアからどう見えているのか?
Cloudflareから日常的に発信されている製品情報、技術情報、技術ブログなどが確認できましたので、それらを受けて第三者の立場でメディアがどのようなニュース記事が出ているのか調べてみました。
メディア戦略の一部分を把握することができます。
Cloudflareは、メディアに何を発表しているのか?
次にCloudflareからメディア向けの発信情報を見つけましたので、調べてみました。
メディア戦略の一部分を把握することができます。
ネットワーク屋から見えた違和感を調べてみる
「Cloudflareについて語りたいこと」が煮詰まってきたで、当初から違和感を感じその理由がまだはっきりしない点について、深堀をして調べてみることにしました。
「VPN機器の脆弱性」とは?
Zero Trust ソリューションのPR情報を見ていると「VPN機器の脆弱性」という言葉が躍ります。ネットワーク屋には、違和感に見えます。VPN技術やVPN技術を搭載したソフトウェア製品、ハードウェア製品に何が起こっていて、どのような論理でVPN技術を用いて実現されているZero Trustソリューション(特に、ZTNA = Zero Trust Network Access)が最適解として紹介される流れになるのでしょうか?
原典などを、ちょっと調べました。ご参考まで。
「Zero Trust」とは?
Zero Trustの概要説明文はよく見るのですが、原典まで紹介したうえで、ソリューションを紹介しているケースはあまり多くないと思いました。Zero Trustという概念に従った場合、どのような対策をしたらよいのか、「Cloudflareが発信した情報」「調査会社が発信した情報」「日米公的機関が発信した情報」など視点で原典を調べてみました。
実際のソリューションを選定する段階では、原典の考え方を参考に必要な施策に適したソリューションの選定が必要だと思います。
ということで、ちょっと調べました。ご参考まで。
私が語りたい Cloudflare のこと
私が見つけた「Cloudflareについて語りたいこと」を、2024年1月29日と2月26日に開かれたWebinar「ゼロトラストをつまみ食い?いいんです!それで。」において、「ネットワーク業界から見た Cloudflare 動向」として、ダイジェストのお話をしました。
それをまとめた資料も、公開まで漕ぎつけることができました。
CDNや1.1.1.1のサービス提供者としてのCloudflareを知っている人と、創業以来よりクラッカー(日本の用語、悪意を持ってネットワークを攻撃するハッカー)と闘う姿勢を貫くCloudflareを知っている人では、印象が違ってきますね。
一見似たサービスであったとしても、それを作る背景が異なると、出来上がってきたものを異なると思います。いま提供されている製品やサービスの背景を知ることで、その選定を適切に行うことができるものと思います。
選ぶ力を持った顧客(目の肥えた客)が増えると、それに伴って製品やサービスも成長いたします。その循環が事業領域を成長させていくものと思います。
自らの事業に適した CDNやZero Trust ソリューションに出会えることを願っています。
新しい気付き
最後に「クラスメソッド」に越境させていただいて感じたことをいくつかご紹介したいと思います。
Slackによるコミュニケーション
SlackやDiscordなどのクローズドSNSの使用経験がなかったので、試行錯誤の連続でしたが、社員の皆さんはとても上手に使いこなしているので、良い経験をさせていただきました。
特に「絵文字リアクション」を上手に使われていました。簡単なコミュニケーションのキーワードが多数絵文字化されていました。「挨拶」や「気持ち」のリアクションだけではなく、確認状態の意思表示、投票、参加可否など、多岐にわたります。企業文化として、効率的なコミュニケーションのためのツールになっていました。
絵文字リアクションを「いいね」「すごい」「びっくり」「怒り!」ぐらいにしか使っていないのは、「もったいないななかったな!」という気持ちになっています。
#misc-doglovers (Slackチャンネル)
#misc-dogloversは、ジョインブログが切っ掛でお誘いいただきました。Slackチャンネル上に立ち上げられた「愛犬家の情報交換の場」です。わかりやすく言えば、「同好会」や「部活動」ですかね。
ちょうど、柴犬の「こなつくん」を飼い始めたところで、難病の闘病中でしたので、愛犬家の皆さんとも会話は、ホッとする瞬間でした。
そんなところで、何か貢献してみたいという気持ちになっていたので、社内LT大会に参加させていただき「犬の血統書」や「美しい犬の立ち姿」について、発表させていただきました。
本当は、「犬の距離感」というテーマを含めて三部作の想定でした。「犬の距離感」では、犬のコミュニケーションスキルについてお話できればと思っていましたが、残念ながら時間切れとなってしまいました。
社内LT大会
1回目:俺の話を聞けLT大会「犬の血統書」
2回目うちのわんこの話を聞けLT大会「美しい犬の立ち姿とは」
3回目:時間切れの未発表「犬の距離感」
ドッグショーを勝ち抜くことは、スタンダード(標準)にどれだけ近いか?を競うものです。でも、それだけでは勝ち抜けることはできません。
ドッグショーには、たくさんの人や犬が居て、彼らとトラブルを起こすような犬は失格となります。また、審査中、ぼーっと立っていればよいわけではありません。走ったり、曲がったり、止まったり、Uターンしたり、じっとポーズをとっていたりしています。逆に、座ってしまったり、不安でキョロキョロしたりすると、精神的に弱いという判断をされてしまうと、審査対象から外れてしまいます。
ドッグショーに勝ち残れる犬というのは、外観のスタンダード(標準)に近い犬であるだけではなく、内面の人間や犬とのコミュニケーション能力や指示を的確に実行できる賢さを備えている可能性が高いのだと思います。
Wi-Fi 環境にWLXシリーズ採用!
クラスメソッドが採用しているルーターにクラウド型管理・監視サービスの「Yamaha Network Organizer」(YNO)を採用されているということで、2019年に導入事例を記事化させていただきました。
取材当時に利用されいた他社製の無線LANアクセスポイントの接続不具合で苦労されているという話で、次期採用製品を考え始めているというお話でした。
今回、NW-JAWS9.5の会場のクラスメソッド 日比谷オフィスの無線LAN環境には、ヤマハの無線LANアクセスポイント「WLX222」でした。WLX222については、マニュアル(はじめにおよみください、ユーザーガイド)の制作を担当したので、よりうれしいです。
引き続き、ヤマハネットワーク製品をよろしくお願いいたします。
ごあいさつ
私の仕事に取り組む姿勢は、狩猟型ではなく、農耕型だろうと思っています。農耕型とは、「土を作り、種を植え、幹をしっかり育てて、収穫する」という仕事の進め方と考えています。少し時間はかかるけど、大きな花を咲かせられると考えています。
9か月間というのは、何かを見つけるには十分でした。それを目に見える形で変えていくには時間が足りませんでした。
クラスメソッド様、Cloudflare様の事業成長を願っております。
ありがとうございました。